家賃滞納で強制退去!まだ次の家が見つからないのに…
家賃を滞納し続けて、とうとう強制退去になりました。
強制執行です。
ここ最近、強制執行の相談が増えています。
裁判所の強制執行は、二段階に分かれていて、最初が「催告」の段階で、居住者にいついつの期限までに立ち退くよう迫るものです。
その期限時に行われるのが「断行」で、荷物ごと強制的に退去させられてしまいます。
困りました…。
次に住むところもまだ見つかってないし、そもそも賃貸契約するためのお金がないんですよ…。初期費用が払えないんです。
今すぐ出ていけ、と言われても…。
どうか気を取り直してください。
通常、催告から断行日までは3週間前後の期間が置かれます。
また催告が行われると、部屋の中に「公示書」という裁判所の書面が貼られます。
そこに退去期限(=断行の期日)が明示されます。
最近あった相談は、「いつの間にか公示書が貼られていた…」というもので、こうなると断行の期日までに慌てて引っ越す以外無くなります。
なんとかこちらで住居を手配することができましたが…。
「公示書」ですか…。
そういうのは部屋の中にまだ貼られてないと思います。
強制執行は、裁判所からいきなり命令が来るわけではありません。
その前に、建物明け渡し訴訟、もしくは競売手続きによる物件の売却、どちらかの手続きがなされている事が通常です。
競売でなければ、明渡訴訟の確定判決を元に、大家側は強制執行の申し立てをすることになります。
明渡訴訟は、裁判提起の書面を送ってから一カ月前後で日程が決まります。
裁判手続きで判決が出るまで、早くとも1カ月前後、それが確定するまでに判決日から更に2週間かかります。
これらの各段階で、債務者(入居者)には、特別送達で書類が届けられているはずです。
はぁ、なるほど…。
通常の明渡訴訟であれば、その前に大家側は内容証明郵便を書留で送付している筈です。
競売手続きでも特別送達(書留)で書面類は届けられます。
ですから、郵便物をキチンと確認しているならば、事前に強制執行が迫っていることを認識し、対応を準備出来るはずなのです。
以下に家賃滞納から強制執行までのプロセスを図解しておきますね。
家賃滞納から強制退去(強制執行)までの流れ
強制執行断行までには3カ月以上の猶予期間がある
ははぁ、なるほど…。各段階である程度、日数がかかるということなんですね。
はい。最初の内容証明に気づくなら、その後の強制執行断行までには、3カ月以上の猶予期間があるわけです。
しかし、私たちの入居者の方にもいますが、郵便物を玄関先・下駄箱などに山のように放置していると、気づくのが遅れて対応が遅れ、慌てることになりかねません。
ご相談はお早めに。
わかりました。どうもありがとうございます。
家賃滞納による強制退去をなんとか回避する方法は…?
家賃を滞納し続けて、とうとう強制退去になりました。
強制執行です。
家賃が支払えず退去予定…とのことですが、通常契約期限が切れたり、家賃が支払えなかったとしても、大家や不動産会社が勝手に明け渡しを求めることはできませんので、そこは慌てないでください。
そうなんですか?
退去で問題になるのは、明け渡し訴訟が提起された上で、立ち退きの判決が確定し、尚且つ強制執行の手続きが取られて、室内に張り紙がされた状態になった時です。
その場合は1-2週間で居場所がなくなるという緊急事態です。
しかし通常は裁判の提訴から確定判決までに2カ月前後、確定判決から強制執行の明け渡しまで1カ月はかかります。
そうなんですね。
ではまだ時間的猶予は少しあると考えていいのですかね?
はい。まず法的には、そのような形で明け渡し訴訟での確定判決と強制執行の手続きでない限り、入居者の方から明け渡さなければならないという事ではない事をご理解ください。
例えば月内に退去するようにと言われたとしても、それは裁判所の強制執行であれば別ですが、そうではなく任意での明け渡しということであれば、現実的に行くところがないということで、退去を猶予して頂くしかないと思います。
わかりました。
とにかく大家さんに事情を説明して頼み込んでみるしかありませんね…。
はい。いずれにせよ大家・管理会社は、自力で入居者を力づくで追い出したりする事、カギを変えて部屋に入れなくすることは、違法行為なので出来ません。
そこは開き直って、居座って頂くしかないと思われます。
そうですか…。
自分の過失なのに無視するようでなんだか心苦しい気もしますが、背に腹は代えられません。
そうするしかないですね。
家賃滞納してしまったけれど強制退去できない場合は…?
お話からすると、強制執行までまだ時間的余裕があると思いますので、早々に地元の市役所にて生活保護申請をされることをお勧めいたします。
その間に新たな住居移転の費用などは、保護費から支出されます。
そうなんですか?知りませんでした…!
退去を言い渡されたとしても、大家側が裁判所に明け渡しを求めた訴えを起こし、それが確定した上での強制執行でなければ、それは全て違法です。従う必要はありません。
部屋を借りる時の契約は、借地借家法によりますが、その法律は弱者を守るように構成されていますので、仮に大家側がカギを変えて出入りできなくするとか、力づくで追い出すというのは、自力救済というのですが、それは法律により禁止されており、仮に自力救済を行使した場合は、損害賠償の対象になります。
ですので、自ら退去する必要はありません。
その上で、今の住居で生活保護を申請されることをお勧めいたします。
生活保護が決定すれば、仮に退去の話が進んでも、引っ越し費用を保護費から出してもらえます。
そうなんですね。わかりました。
仮に、お住まいを失ってしまった場合、あるいはこれまでの大家もしくは不動産会社とのやり取り上、家賃が払えず後ろめたい等々の事情から立ち退かざるを得ないとお考えの場合、こちらのアパートにご入居頂き、生活保護申請をされることをお勧めいたします。
こちらで支援させて頂く場合、基本的には埼玉県もしくは千葉県内にあるシェアハウスやアパート等に入居頂いた上で、生活保護の申請をする流れになるとお考え下さい(生活保護申請に抵抗がある方には、個別に相談に応じます)。
まだ訴訟を起こされていないのであれば、訴訟を提起されてから判決までは最低でも1カ月、その判決から強制執行までも最低でも1カ月はかかります。ですので、時間的にまだ猶予はあると考えてください。
その間に手を尽くして、それでも住居を出ていくしかない、他に選択肢がないということでしたら、私たちの管理物件に移られることを提案いたします。
わかりました。
そうなった時にはよろしくお願い致します。